ビジネス書を実際の仕事に生かすために大切なこと/星野リゾートの教科書 中沢康彦

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数ある書籍の中で、ビジネス書ほどそれを読む目的がはっきりしているジャンルはありません。

それは、自分の仕事の質をより向上させるためです。

しかし、ただ闇雲にビジネス書を読むだけでは、その内容を自身の仕事に生かすことはできません。適切に本を選び、適切に理解し、適切に実践することが求められます。

星野リゾートの教科書 サービスと利益 両立の法則(中沢康彦 著)』では、星野リゾートの経営者である星野佳路社長が、ビジネス書(教科書)から何を学び、どう実践しているか、が解説されています。



星野社長の旅館経営

星野社長の打ち出す経営戦略は、時として常識破りに見える。
(中略)
だが、そうではない。星野社長の経営は、どれを取っても「教科書通り」なのである。
(中略)
一流の経営学者が緻密な研究によって導き出した理論に基づいて考え抜き、確信を持ってビジネスを実践する。それが星野社長の経営である。

上記は同書からの引用です。常識破りな発想で、旅館経営に革命を起こし続ける星野社長は、一見すると、感覚型(直感型)の経営者に見えますが、そのアイディア一つ一つには、普遍的なビジネス理論(教科書)の裏付けがあるのです。

星野社長が「教科書通り」の経営を実践する理由

星野社長が教科書通りの経営を実践している理由は、経営判断を誤るリスクを最小にしたいからだそうです。

社長が参考にしている教科書の多くは、米国のビジネススクールで教える教授陣が書いたもので、その内容は、数多くの企業を対象に手間と時間をかけて事例を調査し、そこから見つけ出された「法則」を理論として体系化されたものであり、その内容は学問的に証明され、一定条件のもとでの正しさはお墨付き、と考えられます。

教科書に書かれている理論は「経営の定石」であり、経営判断の根拠や基準となる理論があれば、行動のぶれも少なくなります。また、自分の下した決断に自身を持てるようになり、社員に対して判断の理由を明快に説明できる、と星野社長は考えています。

反対に、基準を持たない経営判断では、すぐに結果に結びつかないと、「自分の判断が間違っていたのではないか」と疑心暗鬼になってしまい、もう少し辛抱すべき時でも、何とかして短期的に改善したくなり、それが経営のぶれに繋がります。

教科書通りに判断したにも関わらず成果が出ない時もありますが、それでも最初の一歩としては正しく、そこから戦術を調整すればいいのです。

また、教科書通りの経営を行うことで、思い切った経営判断に踏み切れる、というメリットもあります。教科書から理論を学ぶことで、状況改善に必要な思い切った経営判断を最低限のリスクで実行することができます。教科書通りに考えることによって、自分にとって納得できる経営判断に達することができ、その結果、成果が出るまでしつこく努力することができるのです。

星野社長の教科書の探し方~古典的な本を選ぶ~

星野社長は、教科書となる本を探す場合、インターネットではなく実際に書店に足を運ぶことがほとんどだそうです。手にとってページをめくることで、初めて分かること気づくことがあるからです。

書店内では、目立つ位置に置いてある話題の本ではなく、1冊しか置いてないような古典的な本を選びます。こうした本は、流行の波を越え、体系化された理論として生き残り、定石として一般的に認知されたことを示していると考えられるからです。

また、本を選ぶ際の基準として、著者の研究者として知名度を重視しているそうです。コンサルタントを兼ねて学問と実践の間を行き来し、膨大な調査によって理論を実証している、そんな研究者をが書いている本を、星野社長は好んで読むそうです。

反対に、経営者自身が「自分はこうして成功した」と経験を語る本も多くありますが、この類の本は直感的な経営センスの話であることが多く、星野社長にとっての教科書にはなりません。

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星野社長の教科書の読み方~丁寧に読む~

星野社長は本を読む際、1行ずつきちんと理解しながら読み、分からない部分を残さないようにしているそうです。内容を正しく理解するため、同じページを何度も読み返すことも頻繁にあります。本の内容を全て理解してこそ、教科書としてその内容を経営に生かすことができる、と考えているからです。

そして、書かれている理論を理解すると同時に、それを自社の経営にどのように生かすか、を考えながら読みます。自社の具体的な悩みを考えながら読むことで、頭の中が次第に整理されていき、やがて打つべき対策が見えてくるのです。

教科書の実践方法~100%教科書通りにやってみる

星野社長が、教科書の理論を実際の経営に当てはめる際、大切にしていることは100%教科書通りにやってみることです。教科書に書かれていることをすべて忠実に実行するのです。

例えば、ある戦略を実践するには「3つの対策が必要だ」と書かれていた場合、1つや2つでなく、3つすべてに徹底的に取り組む。そうすることで初めて教科書の理論が効果を生む、と星野社長は考えています。

書かれている内容の一部を実行するだけでは、教科書の理論を実践していることにはなりません。それでは成果がすぐに出なかった時に調整すべき方向が見えてこないからです。

教科書通りの戦略も、なかなか成果が出ないこともあります。うまくいかないときには安易に戦略を微調整するのではなく、教科書の戦略を1つずつ確認し、なぜ成果が出ないのか、しっかり考え、何度も教科書を読み返して、それをマニュアルとして忠実に実践することが大切です。微調整をするのは、すべてを教科書通りにやり切ってからです。

まとめ

よく言われることですが、一流と呼ばれる経営者は、皆とてもよく本を読みます。そして、ただ読むだけでなく、それを実際のビジネスに生かすことで、数々の成果を挙げてきました。

僕の職場もそうですが、日本の社員育成は、理論を軽視し、OJTの比重が大き過ぎるように思います。しかし、教える側に立つ先輩社員や上司が、必ずしも正しい理論のもと、正しい仕事をしているとは限りません。むしろそうでない場合がほとんどだと思います。

これからの時代、経営者だけでなく、すべてのビジネスマンは、職場での実地以外に、自らビジネス書を読むなどして、正しい仕事の仕方(理論)を学んでいく必要があると思います。

そして、その際には、ただ闇雲に本を読むのではなく、自身の仕事にどう生かしていくのか、それを常に頭に置いて、本を探し、本を読むことが大切だと思います。

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